どうか安らかに…

query_builder 2018/08/24
社長ブログ

先日は取引先でお付き合いのあった方が亡くなられたため、通夜・告別式共に参列
正直、自分自身あまりにショックだった事や不幸な出来事をブログに書くべきなのかと迷ったが、彼と接してきた時間と仕事に対する姿勢を今一度振り返ってみたいと思い書くことにした。

彼と出会ったのは前職のサラリーマン時代なので約7年前になる。
当時は現在程LEDが普及していない時代だった。しかし今後は照明は蛍光灯からLEDへ移行するだろうと考えていた私は何かのきっかけで彼の勤めている会社がLEDを扱っていると聞き工場見学をさせてもらう事になった。
その時に出会ったのがLEDの責任者だった彼だった。何も知識が無い私に色々と丁寧に商品について教えてくれた。
その当時はLEDの情報についてこちらから聞きたい事があればたまに連絡を取るという程度だった。

その後、私は独立し特に彼には連絡を入れていなかったのだが、ある時偶然共通のお客さんで彼の話が出てきたため改めて連絡を取るようになった。
人づてに私が会社を辞めた事は知っていたが新しい連絡先を知らなかったのでどうしているのか心配はしてくれていたみたいだ。
話をすると彼はLEDの販売をしているが、当時はまだLEDは良いものだと分かっていながらも高額のためなかなか導入が決まらない事が多いようだった。
私は省エネのコンサルを行っていたのでLEDの様な省エネ性に優れている商品は
申請をすれば国の補助金が貰える可能性が高いと説明し、一度お客さんにその話を
してほしいと頼まれた事から協業が始まった。
やはり補助金の話は営業ツールとして最適だったようで、大型案件も2人で協力し
契約に結びつける事ができた。
その後も数年間 私はコンサル、彼はLEDの販売というスタンスで一緒に仕事を行ってきた。

昨年の秋、補助金決定先のある現場で3ヶ月ぶりぐらいに彼に会った時に少し痩せているなという印象を受けた。現場が忙しいとは聞いていたのでその影響もあるのかと思い聞いてみると
「最近しんどくてご飯も喉を通らない時がある。この前も背中が痛くてあまり眠れなかった」
これは普通じゃないと思い、すぐに病院に行くよう勧めた。
自分も以前、同じような事があり病院で検査を受けた時には腎不全で手遅れだった経験があるからだ。
奥さんからも病院に行くよう強く言われていたみたいで間もなくして検査を受けたようだ。
しかしその時には既に彼の病状は進行してしまっていた。

年始頃に彼から連絡があったので、体調はどうかと尋ねてみた。その時は具体的に身体の事は一切話さなかったが
「体調はあまり良くない。でも小学生から高校生の子供が3人いるので何とか
これからも頑張らないといけない」とだけ話していた。
その言葉で病状がいかに重いかはすぐに分かった。
ただその時は敢えて深くは聞かなかった、というより聞けなかった。
そして今年の3月頃に自分の持っているお客さんを少しずつ私に引継ぎたいと連絡があった。
その時に初めて彼から具体的な病状の説明があった。
彼の性格からするといい加減な理由で違う会社の人に仕事の引継ぎを頼む事は出来ないという責任感からなのだろう。
また自分の仕事は社内ではほとんど一人でしているため、恥ずかしながら仕事を
渡さざるを得ないという事だった。
複雑な気持ちだった。
これを引き受けるという事は彼が今後仕事が出来ない状態になるという事を私の中でも認めてしまう事になるからだ。
しかし彼は何があってもお客さんに迷惑はかけたくないという人だったので、本意では無いが引き受ける事にした。
彼の体調が良くなればまたお客さんを持ってもらうという条件で。
彼からは「末期がんなのでどうなるか分からない」という言葉が返ってきた。

彼からはメールと電話でのやりとりをメインに引継ぎを行った。
日が経つにつれて電話越しでも身体が辛そうな状況が伝わってくる。
でもそんな状況でも決して仕事を疎かにしなかった。
通院や治療の事を考え、こちらからは極力連絡をとらないようにしていた。
どうしても連絡を取る必要がある場合はメールを送っていた。
そのメールの返信が彼のアドレスからではあるが、文章が彼では無く代理の人だなと思っていた数日後、彼の会社の社長から連絡があった。
いよいよ連絡がとれる状態では無くなってきたと。

そしてそこから程なくして帰らぬ人となった…

葬儀礼状で書かれていた
「夫は子供が大好きな人でした」という一文

昨秋に初めて検査を受けた時には既に末期がんだと告げられていた
そんな中でも可能性を信じて病気と闘っていた
「子供が3人いるので何とか頑張らないといけない」
先の見えない病気との闘いはさぞ辛かっただろう
大好きな子供の為に何とかしたかっただろう
そして願いが届かないと知ったときはさぞ悔しかっただろう

数年間とはいえ彼と一緒に仕事が出来て本当に良かった。
私がすべき事は彼から引継いだお客さんの仕事をきっちりと全うすること。
そうする事によって彼と一緒に助け合い、協力し合った仕事が今でも生きていると感じる事ができるからだ。
願わくば彼が携わってきた仕事の足跡が大きな成果となって花開くことを

どうか安らかに…

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